SNS等を通じて個人名義を取得して、取得した名義で約500ものペーパー会社を設立して金融機関に不正に法人口座を開設、開設した約4000件の法人口座に投資詐欺の被害金やオンラインカジノの収益金等を入金して口座間で移動させ、資金洗浄(マネーロンダリング)させたとして、資金洗浄グループが警察に摘発されました。(令和6年5月22日付中日新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞各朝刊掲載)
こうした資金の多くは、最終的には海外の法人口座を通じて、詐欺グループに環流されていたとみられています。摘発されたグループは、多数の犯罪組織から資金洗浄の依頼を受け、入金額の数%を対価として受け取り、少なくとも28億円を得ていたとのことです。今回摘発された資金洗浄グループは、SNSで結びついて特殊詐欺等を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ(以下トクリュウ)」とみられており、資金洗浄を依頼したのもトクリュウとみられています。
これらトクリュウは、特殊詐欺だけでなく、繁華街の悪質ホストクラブ、客引き、スカウト、更には悪質リフォーム等の生活経済事犯にも関与しています。
そして、その収益の一部は暴力団に上納され、系列企業の事業資金に充てられる等、暴力団の資金源活動の「見えない化・ステルス化」に加担して自らの勢力を拡大させており、トクリュウへの対策は今や喫緊の課題となっています。